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関東甲信地方の地震と津波の歴史

はじめに

日本は世界で最も地震が多い国の1つです。世界全体で放出される地震エネルギーのうち約20%が日本の周辺に集中していると言われるほど地震が頻発しています。それに加えて400以上の火山が存在します。さらに沿岸部は津波の被害にあうリスクが高いなど、地震に関連する自然災害による影響の受けやすさでは最悪な地理的条件を抱えています。地震を引き起こすプレートの数も多く境界面では大きな地震の発生するリスクが高くなります。東日本大震災だけでなく今後も南海トラフ地震などの大きな地震の発生が予想されています。

関東甲信地方の地震の歴史について紹介します。北海道や三陸常磐地域などに比べて地震の頻度は多くありません。ただそれなりに地震も起こっています。今後も北日本ほどではないにしても地震のリスクはありますので注意が必要です。

栃木県の地震の歴史

栃木県はあまり大きな地震のデータはありません。ただ最近は茨城南部などと連動して小さな地震は起こっています。今後も警戒は必要といえます。

818年(弘仁9年)8月ごろ:弘仁地震で関東地域を中心に圧死者多数、マグニチュード7.5
1659年(万治2年)4月21日:岩城下野地震で死者多数、塩原温泉で山崩れで倒壊、マグニチュード7.0弱
1683年(天和3年)10月20日:日光地震で群発地震が起こって湖ができる。数十年後にその湖が決壊して死者1000名、マグニチュード7.0
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で県南地区を中心に死者・行方不明者5名、マグニチュード7.9
1949年(昭和24年)12月26日:今市地震で死者10名、マグニチュード6.4
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者4名、マグニチュード9.0

群馬県の地震の歴史

群馬県はほとんど地震のデータはありません。むしろ浅間山の噴火による災害が多くなっています。ただ今後も警戒は必要です。

818年(弘仁9年)8月ごろ:弘仁地震で関東地域を中心に圧死者多数、マグニチュード7.5
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で県南地区を中心に死者・行方不明者5名、マグニチュード7.9
1931年(昭和6年)9月21日:西埼玉地震で高崎付近で死者5名、マグニチュード6.9
2004年(平成16年)10月23日:新潟県中越地震で負傷者6名、マグニチュード6.4
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者1名、マグニチュード9.0

埼玉県の地震の歴史

埼玉県もあまり地震のデータはありません。ただ今後は首都圏地震のリスクは高いです。今後は内陸地域も地震が起こる可能性はありますので注意が必要といえます。

818年(弘仁9年)8月ごろ:弘仁地震で関東地域を中心に圧死者多数、マグニチュード7.5
878年(元慶2年)11月1日:相模武蔵自身で圧死者多数、マグニチュード7.4
1649年(慶安2年)7月30日:啓安江戸地震で江戸城の石垣が倒壊、死者かなりの数、マグニチュード7.0
1855年(安政2年)11月11日:安政江戸地震で死者3名、多くの地域で液状化
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で県南地区を中心に死者・行方不明者5名、マグニチュード7.9
1931年(昭和6年)9月21日:西埼玉地震で高崎付近で死者11名、マグニチュード6.9
2004年(平成16年)10月23日:新潟県中越地震で負傷者1名、マグニチュード6.8
2005年(平成17年)2月16日:茨城県南部地震で負傷者6名、マグニチュード5.4
2005年(平成17年)7月23日:千葉県北西部地震で負傷者9名、マグニチュード6.0
2005年(平成17年)8月16日:宮城県沖地震で負傷者4名、マグニチュード7.2
2008年(平成20年)5月8日:茨城県沖地震で負傷者1名、マグニチュード7.0
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者1名、久喜市で大規模液状化、マグニチュード9.0

千葉県の地震の歴史

千葉県は他の関東の内陸に比べれば地震や津波は多くなります。ただ今後は首都圏地震のリスクは高いです。やはり太平洋側の方が地震や津波のリスクは上がります。今後も警戒が必要な地域といえます。

818年(弘仁9年)8月ごろ:弘仁地震で関東地域を中心に圧死者多数、マグニチュード7.5
1605年(慶長9年)2月3日:慶長地震で房総沖に大津波が起きて死者多数、マグニチュード7.9
1677年(延宝5年)11月4日:遠方房総沖地震と大津波で死者97名、マグニチュード8.0
1703年(元禄16年)12月31日:元禄地震と大津波で死者6600名ほど、マグニチュード8.2弱
1801年(享和元年)5月27日:上総地震で塀などの破損も多数
1854年(安政元年)12月23日:安政東海地震と津波で死者3名、マグニチュード8.4
1855年(安政2年)11月11日:安政江戸地震で下総地区を中心に20名の死者
1922年(大正11年)4月26日:浦賀水道地震で住家全壊8棟、マグニチュード6.8
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で県南地区を中心に死者・行方不明者5名、マグニチュード7.9
1960年(昭和35年)5月23日:チリ地震による津波で死者1名、マグニチュード9.5
1987年(昭和62年)12月17日:千葉県東方沖地震で死者2名、マグニチュード6.7
2005年(平成17年)2月16日:茨城県南部地震で負傷者7名、マグニチュード5.4
2005年(平成17年)7月23日:千葉県北西部地震で負傷者8名、マグニチュード6.0
2008年(平成20年)5月8日:茨城県沖地震で負傷者2名、マグニチュード7.0
2008年(平成20年)7月24日:岩手県沿岸北部地震で負傷者1名、マグニチュード6.8
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者22名、マグニチュード9.0
2016年(平成28年)11月22日:福島県沖地震と津波で重軽傷者5名、マグニチュード7.4

山梨県の地震の歴史

山梨県も地震のデータはあまりありません。富士山の噴火による災害もあります。ただ今後は首都圏地震や東海地震などで大きな被害を受ける可能性がありますので注意です。

1498年(明応7年)9月20日:南海トラフ地震と余震で大きな被害、マグニチュード8.4弱
1703年(元禄16年)12月31日:元禄地震で死者83名、マグニチュード8.2弱
1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で甲斐地区を中心に死者24名、マグニチュード8.6
1782年(天明2年)8月23日:天命小田原地震で相模を中心に家屋倒壊9棟、マグニチュード7.0
1854年(安政元年)12月23日:安政東海地震で甲府盆地で多くの被害、マグニチュード8.4
1891年(明治24年)10月28日:濃尾地震で家屋全壊4棟、マグニチュード8.0
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で県南地区を中心に死者・行方不明者22名、マグニチュード7.9、多くの余震
1944年(昭和19年)12月7日:東南海地震で住家全壊13棟、マグニチュード7.9
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で負傷者2名、マグニチュード9.0
2012年(平成24年)1月28日:富士山北東地震、マグニチュード5.5

長野県の地震の歴史

長野県は新潟県や東海地方さらには関東地方の大地震の余震などの影響も受けます。東日本大震災の関連地震の影響も受けました。かなり地震は多い地域です。今後も注意が必要です。

841年(承和8年):信濃地震で家屋倒壊あり、マグニチュード6.5超
863年(定観5年)7月10日:越中越後地震で圧死者多数
1627年(寛永4年)10月22日:松代地震で死者あり、マグニチュード6.0
1703年(元禄16年)12月31日:元禄地震で家屋全壊、マグニチュード8.2弱
1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で諏訪と安曇郡で被害、マグニチュード8.6
1714年(正徳4年)4月28日:正徳小谷地震で死者56名、マグニチュード6.3
1718年(享保3年)8月22日:遠山谷の地震で死者12名、マグニチュード7.0
1725年(享保10年)8月14日:高遠の大地震で死者4名、マグニチュード6.5
1751年(寛政4年)5月21日:松代で死者12名、マグニチュード6.0
1791年(寛政3年)7月23日:松本地震で住家損壊495棟、マグニチュード6.8
1847年(弘化4年)5月8日:善光寺地震で死者6000名ほど、マグニチュード7.4
1853年(嘉永5年)1月26日:信濃北部地震で住家損壊23棟、マグニチュード6.5
1854年(安政元年)12月23日:安政東海地震で死者10名、マグニチュード8.4
1858年(安政5年)4月23日:信濃北西部地震で大町地区を中心に家屋全壊71棟、マグニチュード5.7
1918年(大正7年)11月11日:大町地震で住宅倒壊6棟、マグニチュード6.5
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で住家損壊13棟、マグニチュード7.9
1941年(昭和16年)7月15日:長沼地震で長野郊外で死者5名、マグニチュード6.1
1943年(昭和18年)10月13日:野尻湖付近で死者1名、住家損壊14棟、マグニチュード5.9
1944年(昭和19年)12月7日:東南海地震で住家全壊で13棟、マグニチュード7.9
1946年(昭和21年)12月21日:南海地震で住家全壊で2棟、マグニチュード8.0
1965年(昭和40年)8月3日:松代群発地震で負傷者15名、マグニチュード6.4
1984年(昭和59年)9月14日:長野県西部地震で死者・行方不明者29名、マグニチュード6.8
2004年(平成16年)10月23日:新潟県中越地震で負傷者3名、マグニチュード6.8
2007年(平成19年)7月16日:長野県中越沖地震で負傷者29名、マグニチュード6.8
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で負傷者1名、マグニチュード9.0
2011年(平成23年)6月30日:長野中部地震で死者1名、マグニチュード5.4
2014年(平成26年)11月22日:長野県北部地震で負傷者46名、マグニチュード6.7

まとめ

関東地方や山梨県はあまり地震がありませんが、長野県は地震の多発地帯といえます。ただ今後はどの地域でも地震の発生リスクが高くなりますので注意が必要になってきます。

この地域は特に地震や津波に対する備えが必要になってきます。耐震構造の建物を作る・低地に作らずに高台に作る・建物と建物の間をある程度空けるなどの対策も必要そうです。

企業の場合は建物の損害や営業をできなくなってしまった時の補償として地震保険を考えてもいいような気がします。万一の大きな損害に対して備えをしておくことも大事です。

ただ地震保険には難しい問題があります。それを以下で説明します。

参考資料
地震保険の理論と実務:栗山泰史・五十嵐朗著

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