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南海トラフ地震での防災対応

はじめに

南海トラフ地震では紀伊半島よりも東側でマグニチュード8.0以上の大きな地震が起こることが最有力視されています。その際に東日本大震災の時にあったような連動が起こるのではないかといわれています。連動が起こると紀伊半島の西側から四国地方まで大地震の影響をまともに受ける形になります。広い範囲で震度6強近い揺れになることが予想されます。近いうちに南海トラフ地震が起こるかもしれないという話がネット上でもいわれています。個人的には地震はあまり来てほしくはありませんが、来る可能性が高いのであればいつ来られてもいいような防災対策を練っておく必要が出てきます。

半割れ

上記のような地震を業界では半割れと呼んでいます。このようなパターンの地震は被害が甚大になる可能性が高くなります。1854年安政東海地震(M8.6)の1日半後に安政南海地震(M8.7)、1944年の昭和東南海地震(M8.2)の2年後の昭和南海地震(M8.4)のようなケースです。この間隔が90年ほどです。昭和南海地震から間もなく75年が経ちます。そうなるといつ南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくはないということになります。

一部割れケースとゆっくりすべりケースにおける防災対応

一部割れケースでは被害は半割れに比較すると限定されます。この場合だとマグニチュードは7.0から7.3程度で収まる可能性が高くなります。ただそれでも震度6弱クラスの地震は広範囲で起こりそうですので大きな被害を受ける可能性が高いです。震源が海だと最大10メートル程度の津波が起こる可能性は十分にあります。

またゆっくりすべりケースになると被害はほとんど起こらない可能性もあります。ひずみ計では有意な変化として受け取ることができます。短い時間にプレートの境界の固着状態が明らかに変化をしていくような通常とは異なるゆっくり滑りが観測されることも多くなります。

このケースはあまり例がありません。大規模地震発生の可能性が平常時よりも高まっている定性的な評価をすることはできても、大規模地震発生の可能性を定量的に判断することは難しいです。これらのケースに対しても日頃から地震への備えを再確認しておくなどの防災対応が大事になります。

防災対応

地震への備えとして防災対応がとても重要になります。企業の防災対策としては従業員の安否確認の対応・利用者の避難誘導・従業員の避難経路の確認・設備や施設の点検・什器や設備の固定の確認などが重要になります。また海沿いの道路の利用の抑制・部品の在庫の増加・天井からの物の落下が懸念される場合のスペースの使用の抑制・電子データの重要書類のバックアップなどがあります。

今後の方向性

基本的にはモデルケースしか示すことができないので予測と異なる形や地域で大きな地震が来ることも予想されます。住民・企業・自治体などがそれぞれの状況に応じて適切な対応を取ることが大切です。

地震発生の時期を確実に近い形で当てることは不可能に近いです。そこから完全な防災対応を取ることは現実的には困難を極めます。地震発生の可能性を考えていきながら防災対応への日常・企業活動を考えていくことが大事になります。より安全な防災対策を取るしかありません。日常生活への影響を減らして安全性を高めていくことが大事になります。日頃から突発的な地震に備えた対策が大事になります。

防災対応の方法は地方によって異なります。地域や地方ごとに現実的な防災対応の方向性を出していくことしかありません。突発的な地震への備えを引き続いて進めていく上で大規模地震発生への可能性が高まった際の防災対策を事前に検討していくことで地域や各企業などの一層の防災力を期待しています。

参考資料
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/pdf/R1_tokushu3.pdf

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