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北海道・東北地方の地震と津波の歴史

はじめに

日本は中国・チリ・インドネシアなどと並ぶ世界で最も地震が多い国の1つです。世界全体で放出される地震エネルギーのうち約20%が日本の周辺に集中していると言われるほど地震が頻発しています。それに加えて400以上の火山が存在します。さらに沿岸部は津波の被害にあうリスクが高いなど、地震に関連する自然災害による影響の受けやすさでは最悪な地理的条件を抱えています。地震を引き起こすプレートの数も多く、その境界面では大きな地震の発生するリスクが高くなります。東日本大震災だけでなく今後も南海トラフ地震などの大きな地震の発生が予想されています。

特に北海道や三陸地方さらに南海地方は地震の発生が過去でも多くなっています。今回は北海道や東北地方の主に日本海側青森・秋田・山形県の地震の歴史についてみていきます。

北海道の地震の歴史

北海道の地震の歴史についてまとめていきます。北海道は地震の多い地域です。特に根室と十勝地域はかなりの頻度でマグニチュード8程度の大きな地震が来ています。最近も十勝近くの胆振地方でも大きな地震が来ています。その他にも有珠山の噴火からの津波で多くの方の人命が失われています。

1611年(慶長16年)12月13日:慶長三陸地震と津波で死者多数、マグニチュード8.1
1834年(天保5年)2月9日:石狩地震で石狩湾を中心に23件ほどが津波の被害に遭う、マグニチュード6.4
1843年(天保14年)4月25日:天保十勝地震で釧根地方で5メートルほどの津波で死者46名、マグニチュード7.5
1856年(安政3年)8月23日:安政八戸沖地震で函館を中心に道南地域で津波が発生
1894年(明治27年)3月22日:根室半島沖地震で釧根地方で住宅倒壊が12棟、マグニチュード7.9
1896年(明治29年)6月15日:明治三陸地震と津波で十勝から函館までの地域で津波が発生して6名が死亡、マグニチュード8.2
1915年(大正4年)3月8日:十勝沖地震で死者2名、マグニチュード7.0
1933年(昭和8年)3月3日:昭和三陸地震と津波で死者13名、マグニチュード8.1
1938年(昭和13年)5月29日:屈斜路湖地震で死者1名、マグニチュード6.1
1940年(昭和15年)8月2日:積丹半島沖地震で天塩羽幌地区を中心に津波で死者10名、マグニチュード7.5
1952年(昭和27年)3月4日:十勝沖地震で太平洋側一帯に津波が発生。死者33名、マグニチュード8.2
1960年(昭和35年)5月23日:チリ地震による津波で死者・行方不明者15名、マグニチュード9.5
1968年(昭和43年)5月16日:十勝南西部を中心に津波で死者2名、マグニチュード7.9
1973年(昭和48年)6月17日:根室半島沖地震で負傷者28名、マグニチュード7.4
1982年(昭和57年)3月21日:浦河沖地震で日高地方を中心に負傷者167名、マグニチュード7.1
1983年(昭和58年)5月26日:日本海中部地震と津波で死者4名、マグニチュード7.7
1993年(平成5年)1月15日:釧路地方を中心に死者2名、マグニチュード7.5
1993年(平成5年)7月12日:北海道南西沖地震と津波で死者・行方不明者230名、マグニチュード7.8
1994年(平成6年)10月4日:北海道東方沖地震で釧根地方で負傷者436名、マグニチュード8.2
2003年(平成15年)9月26日:十勝沖地震で死者・行方不明者2名、マグニチュード8.0
2004年(平成16年)釧路沖地震で負傷者52名、マグニチュード7.1
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者1名、マグニチュード9.0
2018年(平成30年)9月6日:胆振東部地震で死者・行方不明者42名、マグニチュード6.7

青森県の地震の歴史

青森県も八戸などの三陸地域に近いところで大きな地震と津波が起こっています。さらに八甲田山の噴火などで死者が出ています。

869年(定観11年)7月13日:定観地震と大津波で死者多数、マグニチュード8.3
1611年(慶長16年)12月2日:慶長三陸地震で死者多数、マグニチュード8.1
1674年(延宝2年)4月15日:八戸地震で建物倒壊多数、マグニチュード6.4
1739年(元本4年)8月16日:陸奥地震で八戸地区を中心に多くの家屋被害、
1763年(宝暦5年)1月29日:宝暦八戸沖地震と津波で家屋倒壊多数、さらに同年3月11日・3月15日にも関連の大きな余震あり、マグニチュード7.4
1766年(明和3年)3月8日:明和津軽地震で圧死者・焼死者1335名、家屋倒壊6940棟、マグニチュード7.3
1768年(明和5年)9月8日:陸奥八戸地震で八戸地区で建物に多くの被害
1769年(明和6年)7月12日:八戸地震で住家や大橋に被害、マグニチュード6.5
1793年(寛政4年)2月8日:鰺ヶ沢地震で鰺ヶ沢木造地区を中心に死者12名、マグニチュード7.0前後
1848年(弘化4年)1月13日:津軽地震で家屋倒壊あり、マグニチュード6.0
1856年(安政3年)8月23日:安政八戸沖地震と津波5名、マグニチュード7.5
1896年(明治29年)6月15日:明治三陸地震と大津波で死者343名、家屋流失1万棟以上
1901年(明治34年)8月9日:青森県東方沖地震と津波で死者18名
1933年(昭和8年)3月3日:昭和三陸地震と津波で死者・行方不明者30名、マグニチュード8.1
1945年(昭和20年)2月10日:青森県東方沖地震で死者2名
1960年(昭和35年)5月23日:チリ地震による津波で死者・行方不明者3名、マグニチュード9.5
1968年(昭和43年)5月16日:十勝南西部地震と津波で死者47名
1983年(昭和58年)5月26日:日本海中部地震と津波で死者27名、マグニチュード7.7
1993年(平成5年)7月12日:北海道南西沖地震と津波で死者1名
1994年(平成6年)12月28日:三陸はるか沖地震で死者3名
2003年(平成15年)9月26日:十勝沖地震で負傷者1名
2008年(平成20年)7月24日:岩手県沿岸北部地震で負傷者94名
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者3名、マグニチュード9.0

秋田県の地震の歴史

比較的地震の少ない日本海側ですが秋田県に限ってはけっこうな頻度で地震が発生しています。まれに鳥海山の噴火なども起こります。

830年(天長7年)2月3日:天長地震で圧死者15名、マグニチュード7.5弱
1644年(正保元年)10月18日:羽後本荘地震で城郭の大破などで死者あり、マグニチュード6.5
1694年(元禄7年)6月19日:能代地震と津波で米代川下流を中心に死者394名、マグニチュード7.0
1704年(宝永元年)5月27日:出羽陸奥地震で死者全体で58名、マグニチュード7.0
1804年(文化元年)7月10日:象潟地震で死者183名、マグニチュード7.0
1810年(文化7年)9月25日:男鹿地震で死者57名、マグニチュード6.5
1833年(天保4年)12月7日:庄内沖地震と津波で死者全体で100名超、マグニチュード7.7
1894年(明治27年)10月22日:由利郡で家屋倒壊1548棟、マグニチュード7.0
1896年(明治29年)8月31日:陸羽地震で死者205名、マグニチュード7.2
1914年(大正3年)3月15日:秋田仙北地震で死者94名、マグニチュード7.1、同28日にも余震で沼館町で建物被害
1939年(昭和14年)5月1日:男鹿地震で死者27名、マグニチュード6.8
1964年(昭和39年)5月7日:男鹿半島沖で住家3棟全壊、マグニチュード6.8
1964年(昭和39年)6月16日:新潟地震で死者4名、マグニチュード7.5
1983年(昭和58年)5月26日:日本海中部地震と巨大津波で死者83名、マグニチュード7.7
1999年(平成11年)8月11日:雄勝町などで道路崩落、マグニチュード5.9
2003年(平成15年)5月26日:宮城県沖地震で負傷者6名、マグニチュード7.1
2008年(平成20年)6月14日:岩手宮城内陸地震で行方不明者2名、マグニチュード7.2
2008年(平成20年)7月24日:岩手県沿岸北部で負傷者4名
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で負傷者11名、マグニチュード9.0

山形県の地震の歴史

山形県は東北地方の中でも地震は最も少ない地域です。ただ少ないということは起こったときに大地震になる可能性もありますので注意が必要になります。

850年(嘉祥3年)出羽地震で圧死者多数、マグニチュード7程度
1804年(文化元年)7月10日:象潟地震と酒田付近を中心とする津波で死者333名、マグニチュード7.0
1833年(天保4年)12月7日:庄内沖地震と広範囲にわたる津波で死者44名、マグニチュード7.7
1894年(明治27年)10月22日:庄内地震で死者726名、マグニチュード7.0
1964年(昭和39年)6月16日:新潟地震で死者9名、マグニチュード7.5
2003年(平成15年)5月26日:宮城県沖地震で負傷者10名、マグニチュード7.1
2003年(平成15年)7月26日:宮城県北部地震で負傷者2名、マグニチュード6.4
2005年(平成17年)8月16日:宮城県沖地震で負傷者1名、マグニチュード7.2
2008年(平成20年)6月14日:岩手宮城内陸地震で負傷者1名、マグニチュード7.2
2008年(平成20年)7月24日:岩手県沿岸北部で負傷者2名、マグニチュード6.8
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者3名、マグニチュード9.0

まとめ

こうしてみると北海道の十勝・根室地域や青森県などでは地震の発生リスクが高く成っています。また海沿いの地域では津波の発生するリスクも高くなります。

こうしてみると地震や津波に対する備えが必要になってきます。耐震構造の建物を作る・低地に作らずに高台に作る・建物と建物の間をある程度空けるなどの対策も必要そうです。

さらに企業の場合は建物の損害や営業をできなくなってしまった時の補償として地震保険を考えてもいいような気がします。万一の大きな損害に対して備えをしておくことも大事です。

ただ地震保険には難しい問題があります。それを以下で説明します。

参考資料
地震保険の理論と実務:栗山泰史・五十嵐朗著

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