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京浜地区の地震の歴史

はじめに

日本は世界で最も地震が多い国で世界全体で放出される地震エネルギーのうち約20%が日本の周辺に集中していると言われるほど地震が頻発しています。さらに沿岸部は津波の被害にあうリスクが高いということもあって地震に関連する自然災害による影響の受けやすさでは最悪な地理的条件を抱えています。インフラの通った日本でも2万名近い死者・行方不明者を出しています。

また京浜地域は日本の中枢の地域で企業の本社や営業所さらに工場なども多く集積しています。東日本大震災でも三陸地域を中心に数多くの企業が震災倒産しています。今後この地域にも首都直下地震などの発生が予測されています。そうなると何万という企業が震災倒産を起こす可能性がありますので注意が必要です。

また京浜地区は意外にも過去最も地震の多い地域とも言われています。伊豆大島に火山帯があるのでここから大きな地震があったのかもしれませんがいずれにしても警戒が必要です。首都圏の場合には地震が起こると津波だけでなく火事を警戒しなければなりません。家事による被災も相当数出てくるのではないかと思われます。

東京都の地震の歴史

東京都は過去関東大震災や東日本大震災も含めて地震の多い地域になっています。地震のデータも多くあります。また丸山・三原山・雄山などの噴火による地震も多くなっています。東日本大震災以降は地震活動も比較的穏やか傾向という気がします。ただ今後も首都直下地震などが起きると甚大な被害の発生する地域といえますので注意が必要といえます。

818年(弘仁9年)8月ごろ:弘仁地震で関東地域を中心に圧死者多数、マグニチュード7.5以上
878年(元慶2年)11月1日:相模武蔵地震で圧死者多数、マグニチュード7.4
1605年(慶長9年)2月3日:慶長地震で伊豆や八丈島に大津波。死者57名、マグニチュード7.9
1615年(元和元年)6月26日:家屋倒壊が多く死者多数、マグニチュード6.5前後
1647年(生保4年)6月16日:丹沢地震で江戸城の石垣などが倒壊で死者も少なからず、マグニチュード6.5
1649年(慶安2年)7月30日:慶安江戸地震で江戸城の石垣損壊や家屋倒壊で死者多数、マグニチュード7.0
1703年(元禄16年)12月31日:元禄地震で浅草地区で地震や津波で死者340名、八丈島や三宅島でも死者数名、マグニチュード8.2弱
1782年(天命2年)8月23日:天命小田原地震で小田原を中心に江戸でも家屋倒壊などで死者、マグニチュード7.0
1812年(文化9年)12月7日:文化神奈川地震で品川で家屋倒壊で死者多数、マグニチュード6.3
1855年(安政2年)11月11日:安政江戸地震で深川地区を中心に死者4000名超で家屋全壊も15000戸近く、マグニチュード7.1
1894年(明治27年)6月20日:東京湾北部を中心に液状化で死者24名、マグニチュード7.0
1895年(明治28年)1月18日:霞ヶ浦地震で死者1名、マグニチュード7.2
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で下町を中心に死者・行方不明者71000名近く、家屋焼失が38万戸近く、マグニチュード7.9
1924年(大正13年)1月15日:関東大震災の余震の丹沢地震で死者6名、マグニチュード7.3
1936年(昭和11年)12月27日:新島近海地震で死者3名、マグニチュード6.3
1957年(昭和32年)11月11日:新島近海地震で式根島で石造家屋全壊2戸、マグニチュード6.0
1967年(昭和42年)4月6日:神津島近海地震で式根島で家屋全壊7戸、マグニチュード5.3
1968年(昭和43年)2月25日:新島近海地震で式根島で家屋全壊2戸、マグニチュード6.0
2005年(平成17年)2月16日:茨城南部地震で負傷者5名、マグニチュード5.3
2005年(平成17年)7月23日:千葉県北西部地震で負傷者12名、マグニチュード6.0
2008年(平成20年)5月8日:茨城県沖地震で負傷者2名、マグニチュード7.0
2009年(平成21年)8月11日:駿河湾地震で負傷者1名、マグニチュード6.5
2009年(平成21年)8月13日:八丈島東方沖地震で住家全壊、マグニチュード6.6
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者8名、建物全壊20棟、建物半壊223棟、マグニチュード9.0
2016年(平成28年)11月22日:福島県沖地震で軽症者2名、マグニチュード7.4

神奈川県の地震の歴史

神奈川県も東京に近く地震は多く起きています。また東京で起きた被害の多くは人口の多い神奈川でも被害が出ます。大山や箱根などのなどの噴火はありません。東京と同じく東日本大震災以降は比較的静かですが今後も首都直下地震等が起こると東京に準ずる被害が出ることが予想されます。家屋や向上などの多い川崎や横浜地域を中心に大きな被害が出るものと予想されます。

818年(弘仁9年)8月ごろ:弘仁地震で大きな被害、マグニチュード7.5以上
878年(元慶2年)11月1日:相模武蔵地震で圧死者多数、マグニチュード7.4
1241年(仁治2年)5月15日:鎌倉地震で津波から由比ヶ浜で大鳥居が流失、マグニチュード7.0
1257年(正嘉元年)10月9日:正嘉地震で鎌倉で山崩れと家屋倒壊、マグニチュード7.5弱
1293年(永仁元年)5月27日:鎌倉地震で死者23000名超、多数の寺社が倒壊、マグニチュード7.0
1498年(明応7年)9月20日:明応地震で大津波発生で鎌倉大仏も水に浸かったという説、死者200名、マグニチュード8.4弱
1605年(慶長9年)2月3日:慶長地震で伊豆や八丈島に大津波。マグニチュード7.9
1633年(寛永10年)3月1日:寛永小田原地震で死者150名、家屋倒壊多数。マグニチュード7.0
1648年(慶安元年)6月13日:相模江戸地震で死者1名、小田原城損壊、箱根で落石、マグニチュード7.0前後
1649年(慶安2年)9月1日:川崎江戸地震で死者多数、川崎で民家150棟倒壊、マグニチュード6.4
1697年(元禄10年)11月25日:相模武蔵地震で鎌倉で家屋倒壊、マグニチュード6.5
1703年(元禄16年)12月31日:元禄地震で小田原地区で津波で死者2291名、家屋全壊8000棟超、マグニチュード8.2弱
1782年(天命2年)8月23日:天命小田原地震で小田原を中心に住家800棟破損、マグニチュード7.0
1812年(文化9年)12月7日:文化神奈川地震で横浜で死者、家屋全壊あり、マグニチュード6.3
1853年(嘉永6年)3月11日:嘉永小田原地震で小田原地区を中心に死者24名、マグニチュード6.7
1855年(安政2年)11月11日:安政江戸地震で死者37名、神奈川宿で大きな被害、マグニチュード7.1
1894年(明治27年)6月20日:東京湾北部を中心に液状化で死者7名、マグニチュード7.0
1895年(明治28年)1月18日:霞ヶ浦地震でマグニチュード7.2
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で県西部を中心に死者・行方不明者33000名超、家屋焼失が38万戸近く、マグニチュード7.9
1924年(大正13年)1月15日:関東大震災の余震の丹沢地震で県中南部で死者13名、家屋全壊561棟、マグニチュード7.3
1930年(昭和5年)11月26日:北伊豆地震で県西部を中心に死者13名、家屋全壊88棟、マグニチュード7.3
2005年(平成17年)2月16日:茨城南部地震で負傷者1名、マグニチュード5.3
2005年(平成17年)7月23日:千葉県北西部地震で負傷者9名、マグニチュード6.0
2009年(平成21年)8月11日:駿河湾地震で負傷者4名、マグニチュード6.5
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で死者6名、建物半壊41棟、マグニチュード9.0

静岡県の地震の歴史

静岡県は地震多発地帯の京浜地区と東海地方に挟まれているということもあって過去にも大きな地震が来ています。また沿岸部には津波も来て大きな被害が出ています。静岡は今後も首都直下地震や東海地震などの影響を大きく受けるものと思われます。今後も特に注意の必要な地域といえそうです。またマグニチュード8クラスの地震が他の地域よりも多く来ているのも静岡県の特徴といえます。

715年(霊亀元年)7月4日:山崩れで天竜会が決壊して住家流出などの大きな被害、マグニチュード7.5弱
841年(承和8年)伊豆地震で圧死者多数、マグニチュード7.0
878年(元慶2年)11月1日:相模武蔵地震で相模や武蔵で圧死者多数、マグニチュード7.4
1096年(永長元年)12月17日:永長地震で大津波発生、駿河で寺社が流される、マグニチュード8.5弱
1498年(明応7年)9月20日:明応地震で駿河湾沖で津波が発生して死者26000名超、浜名湖が海とつながったという説、マグニチュード8.4弱
1589年(天正17年)3月21日:駿河遠江地方で住家破損多数、マグニチュード6.7
1605年(慶長9年)2月3日:慶長地震で浜名湖付近で大津波が発生、橋本宿などが流失、マグニチュード7.9
1633年(寛永10年)3月1日:寛永小田原地震で三島で住家倒壊と熱海で津波、マグニチュード7.0
1686年(貞享3年)10月3日:遠江三河地方地震で死者あり、マグニチュード7.0
1703年(元禄16年)12月31日:元禄地震で伊豆東岸に津波で宇佐美や下田で死者600名程度、下田で家屋流失、マグニチュード8.2弱
1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で津波と液状化発生、下田で死者11名、家屋流失857棟、マグニチュード8.6
1707年(宝永4年)10月29日:宝永地震の大余震で死者4名、家屋も多数倒壊、マグニチュード7.0
1718年(享保3年)8月22日:遠山地震で遠江北部や天竜川流域で死者50名超、マグニチュード7.0
1782年(天命2年)8月23日:天命小田原地震で伊豆北部に小さな被害、マグニチュード7.0
1854年(安政元年)12月23日:安政東海地震で津波と液状化発生、下田で死者122名、マグニチュード8.4
1891年(明治24年)10月28日:濃尾地震で遠江で住家全壊28棟、マグニチュード8.0
1917年(大正6年)5月18日:静岡地震で死者2名、マグニチュード6.3
1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で県西部を中心に死者・行方不明者444名、住家全壊と埋没などで3200棟近く、マグニチュード7.9
1924年(大正13年)1月15日:関東大震災の余震の丹沢地震で駿河東地区を中心に負傷者26名、マグニチュード7.3
1930年(昭和5年)11月26日:北伊豆地震で死者259名、住家全壊2077棟、マグニチュード7.3
1935年(昭和10年)7月11日:静岡地震で静岡市有度山付近で死者9名、住家全壊363棟、マグニチュード6.4
1944年(昭和19年)12月7日:東南海地震と津波で死者295名、住家全壊6970棟、マグニチュード7.9
1965年(昭和40年)4月20日:静岡地震で清水北部で死者2名、マグニチュード6.1
1974年(昭和49年)5月9日:伊豆半島地震で伊豆半島南端で大きな被害、死者30名、マグニチュード6.9
1978年(昭和53年)1月14日:伊豆半島近海地震で鉱山堆積場が崩壊して死者25名、マグニチュード7.0
2004年(平成16年)9月5日:紀伊半島南東沖地震で負傷者2名、マグニチュード7.4
2009年(平成21年)12月17日ごろ:伊豆半島東方沖地震で負傷者7名、マグニチュード5.1
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で負傷者2名、マグニチュード9.0
2011年(平成23年)3月15日:静岡県東部地震で富士宮で震度6強、負傷者50名、マグニチュード6.4

まとめ

東京・神奈川・静岡とも今までに多くの地震で大きな被害の出ている地震多発地帯です。今後も大きな地震の発生が予想されており大きな被害の出ることが予想されます。東京や神奈川などの都市部では地震と津波だけでなく火災にも注意・警戒をしていかなければなりません。

この地域は特に地震や津波に対する備えが必要になってきます。耐震構造の建物を作る・低地に作らずに高台に作る・建物と建物の間をある程度空けるなどの対策も必要そうです。

企業の場合は建物の損害や営業をできなくなってしまった時の補償として地震保険を考えてもいいような気がします。万一の大きな損害に対して備えをしておくことも大事です。

ただ地震保険には難しい問題があります。それを以下で説明します。

参考資料
地震保険の理論と実務:栗山泰史・五十嵐朗著

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