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近畿地方の地震の歴史

はじめに

日本は世界で最も地震が多い国で世界全体で放出される地震エネルギーのうち約20%が日本の周辺に集中していると言われるほど地震が頻発しています。さらに沿岸部は津波の被害に遭うリスクが高いということもあって地震に関連する自然災害による影響の受けやすさでは最悪な地理的条件を抱えています。東日本大震災ではインフラの通った日本でも2万名近い死者・行方不明者を出しています。その他噴火や水害などの自然災害も多くなっています。

関西地方は近年阪神淡路大震災・大阪北部地震などで大きな被害が出ています。また南海トラフ地震や東南海地震などでも大きな被害が予想されています。特に京阪神地方は人口が多いこともあって人的・経済的にも大きな被害の発生が予測されています。過去にも地震の多い地域となっているので大きな警戒をすべき地域といえます。

京都府の地震の歴史

京都府は地震の多い地域で特に江戸時代以降に多くの地震が来ています。今後も警戒すべき地域です。最近では阪神淡路大震災で大きな被害も出ています。京都は今後も東海地震・東南海地震・南海トラフ地震で大きな被害の発生が予想されています。丹後地区は津波にも注意が必要です。中心地は歴史的建造物も多く火災などにも注意・警戒が必要になります。工場などの大型施設を有しているところは地震保険などの検討をしてみてもいいのかもしれません。

701年(大宝元年)5月12日:大宝地震で丹波地区を中心に大津波、マグニチュード不明
827年(天長4年)8月11日:天長地震で京都を中心に家屋全壊多数、マグニチュード7.0弱
887年(仁和3年)8月26日:仁和地震で家屋倒壊、圧死者多数、マグニチュード8.5弱
938年(天慶元年)5月22日:天慶地震で宮中で死者4名、家屋倒壊多数、マグニチュード7.0
976年(貞元元年)7月22日:山城近江地震で死者50名以上、家屋全壊多数、多くの余震あり、マグニチュード6.7以上
1185年(文治元年)8月13日:文治地震で死者多数、家屋全壊多数、多くの余震あり、マグニチュード7.4
1317年(文保元年)2月24日:文保地震で死者5名、白河付近で家屋全滅、マグニチュード7.0弱
1449年(宝徳元年)5月13日:寺社などの被害あり、死者多数、マグニチュード6.5弱
1596年(慶長元年)9月5日:慶長伏見地震で堺で死者600名超、マグニチュード7.7弱
1662年(寛文2年)6月16日:寛文近江若狭地震で死者200名超、家屋倒壊1000棟、マグニチュード7.6弱
1830年(天保元年)8月19日:京都地震で死者280名、負傷者1300名、マグニチュード6.5
1891年(明治24年)10月28日:濃尾地震で家屋全壊13棟、マグニチュード8.0
1925年(大正14年)5月23日:北但馬地震で死者7名、負傷者30名、住家全壊20棟、マグニチュード6.8
1927年(昭和2年)3月7日:北丹後地震で死者2898名、負傷者7595名、住家全壊4889棟、マグニチュード7.3
1936年(昭和11年)2月21日:京阪奈で震度5、マグニチュード6.4
1952年(昭和27年)7月18日:吉野地震で死者1名、負傷者20名、住家全壊5棟、マグニチュード6.7
1995年(平成7年)1月17日:阪神淡路大震災で死者あり、マグニチュード7.3
2004年(平成16年)9月5日:紀伊半島南東沖で負傷者1名、マグニチュード7.4
2018年(平成30年)6月18日:大阪北部地震で負傷者41名、住家一部損壊2棟、マグニチュード6.1

大阪府の地震の歴史

大阪府は地震の多い地域で特に明治以降に多くの地震が来ていますので今後も要警戒の地域です。最近では阪神淡路大震災と大阪北部地震が来て大きな被害も出ています。大阪は今後も東海地震・東南海地震・南海トラフ地震で大きな被害の発生が予想されています。東京同様に住家が並んでいるので火災にも警戒が必要になります。工場などの大型施設を有しているところは地震保険などの検討をしてみてもいいのかもしれません。

887年(仁和3年)8月26日:津波による死者多数、マグニチュード8.5弱
1361年(正平16年)8月3日:正平地震で和歌山・徳島・高知などで津波被害、圧死者5名、マグニチュード8.5弱
1510年(永正7年)9月21日:摂津河内地震で死者多数、寺社多数、余震多発、マグニチュード7.0弱
1596年(慶長元年)9月5日:慶長伏見地震で堺で死者600名超、マグニチュード7.7弱
1662年(寛文2年)6月16日:寛文近江若狭地震で近畿や北陸を中心に大きな被害、死者あり、マグニチュード7.6弱
1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で大阪中心死者750名、家屋全壊1000棟超、マグニチュード8.6
1854年(安政元年)12月23日:安政東海地震で大阪で津波などの大きな被害で死者300名超、マグニチュード8.4、24日にも大きな余震
1891年(明治24年)10月28日:濃尾地震で三河と尾張で死者24名、家屋全壊1011棟、マグニチュード8.0
1899年(明治32年)3月7日:紀伊大和地震で死者7名、三重南部で大きな被害、マグニチュード7.0
1927年(昭和2年)3月7日:北丹後地震で死者21名、負傷者126名、マグニチュード7.3
1936年(昭和11年)2月21日:河内大和地震で死者8名、負傷者52名、マグニチュード6.4
1944年(昭和19年)12月7日:東南海地震で死者14名、負傷者135名、住家全壊199棟、マグニチュード7.9
1946年(昭和21年)12月21日:南海地震で死者32名、負傷者46名、住家全壊234棟、マグニチュード8.0
1952年(昭和27年)7月18日:吉野地震で死者2名、負傷者75名、住家全壊9棟、マグニチュード6.7
1995年(平成7年)1月17日:阪神淡路大震災で死者あり、マグニチュード7.3
2000年(平成12年)10月6日:鳥取県西部地震で負傷者4名、マグニチュード7.3
2004年(平成16年)9月5日:紀伊半島南東沖で負傷者10名、マグニチュード7.4
2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災で負傷者1名、マグニチュード9.0
2013年(平成25年)4月13日:淡路地震で負傷者5名、マグニチュード6.3
2016年(平成28年)10月21日:鳥取中部地震で負傷者1名、マグニチュード6.6
2018年(平成30年)6月18日:大阪北部地震で死者5名、負傷者349名、住家全壊3棟・半壊20棟、マグニチュード6.1

兵庫県の地震の歴史

兵庫県は阪神淡路大震災で壊滅的な被害を受けました。平成では東日本大震災に次ぐ大きな災害と感じています。都市部を襲ったということもあって経済被害も多く出ました。阪神地区は地震も多く今後も東南海地震や南海トラフ地震などで再び大きな被害を受ける可能性もあります。また南部沿岸部は住家も多く地震だけでなく津波や火災にも厳重な警戒が必要です。また工場などの大型施設を有しているところは地震保険などの検討をしてみてもいいのかもしれません。

868年(定観10年)8月3日:播磨国地震で播磨地域で家屋全壊多数、マグニチュード7.1
1596年(慶長元年)9月5日:慶長伏見地震で神戸・有馬地区で家屋全壊多数、マグニチュード7.7弱
1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で家屋全壊23棟、マグニチュード8.6
1865年(慶應元年)2月24日:播磨丹波地震で家屋倒壊多数、マグニチュード6.3
1916年(大正5年)11月26日:神戸明石地震で死者1名、負傷者5名、家屋全壊3棟、マグニチュード6.1
1925年(大正14年)5月23日:北但馬地震で死者421名、負傷者804名、住家全壊1275棟、住家焼失2080棟、マグニチュード6.8
1927年(昭和2年)3月7日:北丹後地震で北部で被害、死者6名、負傷者85名、住家倒壊80棟、住家焼失4640棟、マグニチュード7.3
1944年(昭和19年)12月7日:東南海地震で負傷者2名、住家全壊3棟、マグニチュード7.9
1946年(昭和21年)12月21日:南海地震で死者50名、負傷者91名、住家全壊330棟、マグニチュード8.0
1952年(昭和27年)7月18日:吉野地震で死者1名、負傷者13名、マグニチュード6.7
1995年(平成7年)1月17日:阪神淡路大震災で日本初の震度7、死者・行方不明者6405名、負傷者40092名、家屋全壊104004棟、マグニチュード7.3
2000年(平成12年)10月6日:鳥取県西部地震で負傷者1名、マグニチュード7.3
2004年(平成16年)9月5日:紀伊半島南東沖で負傷者1名、マグニチュード7.4
2013年(平成25年)4月13日:淡路地震で負傷者35名、住家全壊8棟、マグニチュード6.3
2016年(平成28年)10月21日:鳥取中部地震で負傷者3名、マグニチュード6.6
2018年(平成30年)6月18日:大阪北部地震で負傷者41名、マグニチュード6.1

奈良県の地震の歴史

奈良県は地震の多い地域ではありません。ただ明治以降は頻繁に地震が来ていますので注意が必要です。被害はさほど多くはありませんが大きな地震も来ています。阪神淡路大震災などで被害を受けています。奈良も南海トラフ地震や東南海地震では大きな被害を受けることも予想されます。工場などの大型施設を有しているところは地震保険などの検討をしてみてもいいのかもしれません。

416年(允恭5年)8月23日:允恭地震で記録に残る日本での地震、マグニチュード不明
1185年(文治元年)8月13日:文治地震で死者多数、寺社倒壊破損多数、マグニチュード7.4
1361年(正平16年)8月3日:正平地震で徳島・高知などで大津波、マグニチュード8.5弱
1596年(慶長元年)9月5日:慶長伏見地震で寺社倒壊多数、マグニチュード7.5
1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で尾鷲を中心に津波で死者1127名、家屋全壊・流出3800棟超、マグニチュード8.6
1854年(安政元年)7月9日:伊賀上野地震で北部を中心に死者280名、家屋全壊800棟、マグニチュード7.5弱
1891年(明治24年)10月28日:濃尾地震で死者1名、家屋全壊16棟、マグニチュード8.0
1899年(明治32年)3月7日:紀伊大和地震で南部を中心に家屋全壊などの被害あり、マグニチュード7.0
1936年(昭和11年)2月21日:河内大和地震で死者1名、負傷者7名、住家全壊2棟、マグニチュード6.4
1944年(昭和19年)12月7日:東南海地震で死者3名、負傷者17名、住家全壊89棟、マグニチュード7.9
1946年(昭和21年)12月21日:南海地震で負傷者13名、住家全壊37棟、マグニチュード8.0
1952年(昭和27年)7月18日:吉野地震で死者3名、負傷者6名、マグニチュード6.7
1995年(平成7年)1月17日:阪神淡路大震災で死傷者あり、マグニチュード7.3

まとめ

京阪神地域は今までに阪神淡路大震災を筆頭に多くの地震で大きな被害の出ている地域です。今後も東海地震や東南海地震さらに南海トラフ地震などの発生が予想されており大きな被害の出ることが予想されます。奈良も被害はそれほどではないにしても大きな地震は来ています。関西地域は人口も多いですので地震だけでなく津波や家事などの発生も予想されることで被害が拡大する可能性が高まっています。

阪神地区は地震だけでなく津波や火災に備えることも特に必要になってきます。耐震構造の建物を作る・低地に作らずに高台に作る・建物と建物の間をある程度空けるなどの対策も必要そうです。

企業の場合は建物の損害や営業をできなくなってしまった時の補償として地震保険を考えてもいいような気がします。万一の大きな損害に対して備えをしておくことも大事です。

ただ地震保険には難しい問題があります。それを以下で説明します。

参考資料
地震保険の理論と実務:栗山泰史・五十嵐朗著

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