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南九州地方の地震の歴史

はじめに

日本は世界で最も地震が多い国で世界全体で放出される地震エネルギーのうち約20%が自国周辺に集中していると言われるほど地震が頻発しています。さらに沿岸部は津波の被害に遭うリスクが高いということもあって地震に関連する自然災害による影響の受けやすさでは最悪な地理的条件を抱えています。東日本大震災ではインフラの通った日本でも2万名近い死者・行方不明者を出しています。その他噴火や水害などの自然災害も多くなっています。

南九州地区はさほど地震の多い地域ではありません。ただそのような地域でも大きな地震が来る可能性があります。南海トラフ地震などで大きな被害が予想されています。むしろ桜島や新燃岳などの噴火の方が警戒すべきかもしれません。いずれにしても自然災害は多く発生しています。避難もそうですが早くからの地震に備えた準備が必要になってきます。

宮崎県の地震の歴史

宮崎県は地震は来ていますが頻度は多くありません。ただえびの地域では地震が発生しています。また宮崎県も南海地震などの四国地方や熊本地震などの影響も受ける地域といえます。地震だけでなく火山噴火も起こっていますのでこの面でも注意をする必要があります。また工場などの大型施設を有しているところは地震保険などの検討をしてみてもいいのではないかと思われます。

1662年(寛文2年)10月31日:寛文地震で日向灘付近で津波や地盤沈下で死者200名の大きな被害、マグニチュード7.6
1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で延岡で家屋倒壊流失25棟、マグニチュード8.6
1769年(明和6年)8月29日:明和地震で延岡城で被害、津波あり、住家倒壊多数、マグニチュード7.8
1854年(安政元年)12月24日:安政南海地震で延岡と宮崎で住家倒壊30棟、マグニチュード8.4
1909年(明治42年)11月10日:宮崎県西部地震で宮崎市で被害、大分でも家屋倒壊2棟、マグニチュード7.6
1931年(昭和6年)11月2日:日向灘地震で死者1名、負傷者29名、マグニチュード7.1
1968年(昭和43年)2月21日:えびの地震で負傷者32名、住家全壊333棟、マグニチュード6.1
1968年(昭和43年)4月1日:日向灘地震で負傷者7名、マグニチュード7.5
2016年(平成28年)4月16日:熊本地震で負傷者8名、住家倒壊2棟、マグニチュード7.3、14日にも前震と思われるマグニチュード6.5の地震あり

鹿児島県の地震の歴史

鹿児島県も地震は来ていますが頻度は多くありません。鹿児島県は南西諸島で起こる地震の影響を受けています。むしろ桜島や口永良部島での火山噴火が多く起こっていますのでこの面でも注意をする必要があります。また工場などの大型施設を有しているところは地震保険などの検討をしてみてもいいのではないかと思われます。

1707年(宝永4年)10月28日:宝永地震で志布志湾で津波観測も被害実態は不明、マグニチュード8.6
1854年(安政元年)12月24日:安政南海地震で津波被害はあるも被害実態は不明、マグニチュード8.4
1901年(明治34年)6月24日:南西諸島群発地震で被害あり、マグニチュード7.5
1909年(明治42年)11月10日:宮崎県西部地震で被害あり、マグニチュード7.6
1911年(明治44年)6月15日:喜界島地震で南西諸島で大きな被害、マグニチュード8.0
1914年(大正3年)1月12日:桜島噴火に伴う地震で鹿児島市内で死者35名、負傷者96名、住家全壊39棟、マグニチュード7.1
1923年(大正12年)7月13日:九州地方南東沖地震で宮崎・鹿児島で地震、マグニチュード7.1
1961年(昭和36年)2月27日:日向灘地震で死者1名、負傷者3名、住家全壊2棟、マグニチュード7.0
1968年(昭和43年)2月21日:えびの地震で死者3名、負傷者10名、住家全壊35棟、マグニチュード6.1
1997年(平成9年)3月26日:鹿児島県北東部地震で負傷者31名、住家全壊2棟、マグニチュード6.6
1997年(平成9年)5月13日:鹿児島県北西部地震で負傷者43名、住家全壊4棟、マグニチュード6.4

沖縄県の地震の歴史

沖縄県は九州地方の中では地震は来ている方です。しかも沖縄県は各々の島になっているので周りを海に囲まれています。地震が起こったときの津波のリスクは格段に上がります。低地に人口が集中しているので大きな地震で都市部なみの被害が出るかもしれません。那覇市などは火災のリスクも上がります。また工場などの大型施設や観光業施設を有しているところは地震保険などの検討をしてみてもいいのではないかと思われます。

1771年(明和8年)4月24日:八重山地震と津波で溺死者12000名、家屋流失2000棟、マグニチュード7.4
1901年(明治34年)6月24日:南西諸島群発地震で津波発生、マグニチュード7.5
1909年(明治42年)8月29日:沖縄本島地震で死者2名、負傷者13名、家屋全半壊106棟、マグニチュード6.2
1909年(明治42年)11月10日:宮崎県西部地震で被害あり、マグニチュード7.6
1911年(明治44年)6月15日:喜界島地震で死者12名、家屋全壊422棟、マグニチュード8.0
1938年(昭和13年)6月10日:宮古島北西沖地震で2メートルの津波、マグニチュード7.7
1947年(昭和22年)9月27日:与那国島近海地震で石垣島や西表島で死者5名、マグニチュード7.4
1958年(昭和33年)3月11日:石垣島近海地震で死者2名、負傷者4名、マグニチュード7.2
1960年(昭和35年)5月23日:チリ地震津波で死者3名、負傷者2名、建物全壊28棟、マグニチュード9.5
1966年(昭和41年)3月13日:台湾東方地震で死者2名、家屋倒壊1棟、マグニチュード7.8
2001年(平成13年)12月18日:与那国島や西表島で震度4、西表島で津波あり、マグニチュード7.3
2010年(平成22年)2月27日:沖縄本島近海地震で糸満で震度5弱、負傷者2名、マグニチュード7.2

まとめ

沖縄県は地震のリスクも高く津波や火災にも大きな警戒が必要になります。今後も地震活動の活発な地域といえます。宮崎県や鹿児島県はそこまで地震は多くないも熊本や沖縄そして南海地方の地震の影響を受ける可能性があるのでやはり注意の必要な地域といえます。また桜島や新燃岳などの大きな噴火にも警戒する必要があります。

この南九州地区は南海トラフ地震だけでなく沖縄などの南西諸島で起こる地震にも巻き込まれる可能性があります。さらに沖縄の石垣島や与那国島などの先島諸島などでは台湾で発生する大地震や津波に巻き込まれる可能性も否定できません。そこで耐震構造の建物を作る・低地に作らずに高台に作る・建物と建物の間をある程度空けるなどの対策も必要そうです。

企業の場合は建物の損害や営業をできなくなってしまった時の補償として地震保険を考えてもいいような気がします。万一の大きな損害に対して備えをしておくことも大事です。

ただ地震保険には難しい問題があります。それを以下で説明します。

参考資料
地震保険の理論と実務:栗山泰史・五十嵐朗著

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