地震と被害状況
はじめに
マグニチュードは地震の持つエネルギーの大きさで震度は地域における揺れの大きさを示しています。地盤や震源地までの距離によって揺れの大きさは異なっていきます。
震度と揺れの状況
地震の震度と揺れの状況を比較していきます。震度4くらいから一般の方だと地震の恐怖を感じてきます。震度5強以上になると身の危険が出てきますので注意が必要になります。大きな揺れが来たら机の中などに入って落ちてくるものが頭に当たらないなどの対策を取ることが大切になります。
震度 | 揺れの状況 |
震度4 | ほとんどの人が驚く。電灯などの吊り下げ物は大きく揺れて座りの悪い置物が倒れることもある |
震度5弱 | 大半の人が恐怖を覚える。固定していない家具が移動して不安定な物が倒れて棚の食器類や本が落花することがある |
震度5強 | 物につかまらないと歩きにくい。テレビが台から落ちて固定していない家具が倒れて窓ガラスが崩れ落ちることがある |
震度6弱 | 立っていることが困難になる。固定していない家具の大半が移動する。ドアが開かなくなって壁のタイルが破損・落下することがある。 |
震度6強 | 揺れに翻弄されて動けずに飛ばされてしまう可能性がある。固定していない家具の多くは倒れて壁のタイルや窓ガラスが破損する。 |
震度7 | 固定しない家具が飛ぶことがある。建物に相当の被害が出て補強されているブロック塀も破損することがある。 |
被災地で想定される被害状況
被災地で想定される被害状況を表にしていきます。大きな地震が来てしまうとライフラインが長期間止まる。交通が寸断される。建物が破壊されるなどのことがありますので注意が必要になります。
事象 | 被害状況 |
ライフライン | 電気・ガス・水道・通信の供給やサービスが停止する。復旧に1ヵ月以上かかることもある。 |
建物 | 耐震性の低い建物が損壊・倒壊する。地盤が崩落する。火災が発生している。都市部の住宅密集地で道路の狭いところでは消火活動が困難になる。 |
交通 | 鉄道網が停止する。高速道路が損壊・倒壊して通行が不能になる。道路の陥没や亀裂そしてのり面の崩落・橋梁の損壊・家屋の倒壊・ブロック塀の倒壊・自販機の転倒・電柱や樹木の倒壊などがある。大量の帰宅困難者が出てくる。 |
医療介護 | 医療や介護期間が被災をして医療や介護行為が不能になる。ライフラインの停止によって医療や介護に支障を来す。大量の負傷者や要介護者の受け入れが困難になる。医療や介護従事者そして医療や介護物資が不足する。 |
情報 | ライフラインの停止によって被災地の住民が情報を入手することが困難になる。地域ごとに必要な情報を入手しにくい。 |
食料や水 | 食料や水の入手が困難になる。水の停止でトイレが使用をしにくくなる |
住まいの備え
地震での被害を最小限にするために可能な事前対策として住まいの備えを怠らないようにしましょう。できることは自分の手でそれが地震と家族の命の安全につながります。できるところは自分の手で行っていくことが重要です。
建物 | 基準 |
住宅 | 耐震性の住宅は1981年6月に耐震基準が改善されています。新基準の住宅は旧基準と比較して損壊する確率が減少をしています。耐震診断や耐震補強については行政機関の支援があります。耐震診断を受けて必要な補強をしていきましょう。 |
室内 | 家具を固定する場合は壁の内側の桟木やかもいに固定する。積み重ねの家具は上下を連結する。 家具製品は台の固定だけではなく台と床さらに壁との固定も忘れずに。 タンスや棚は収納物が飛び出さないように扉が開かないようにロックができるようにする。固定方法は複数組み合わせる。 ガラス類は飛び散らないように飛散防止のフィルムを貼る。照明器具には飛散防止カバーを使用する。 寝ている上に倒れてこないように配置する。寝ている上に飛んでこないように配置や固定をする。窓ガラスの近くに物を置かない。倒れてもドアを塞がないように配置する。避難する経路に物を置かない |
身の安全のために
身の安全のために何をすべきかが大事になります。ここでは自宅・外出先・施設内・乗り物の中のそれぞれで地震に遭遇してしまった場合の対策について考えていきます。
家具などの倒れる危険のあるものから離れる
テーブルや机の下に入る場合も強度の高いものの下に入る
高層階にいる場合は窓から離れて固定されたものにつかまる
耐震性の弱い建物の中にいる場合は外に出る
ビルの中など耐震性の高い建物の中にいる場合はすぐには飛び出さないこと。
落ちてくるものに注意すること
いる場所 | 注意点 |
住宅 | 1981年6月に耐震基準が改善されています。新基準の住宅は旧基準に比べて損壊する確率が減少しています。 耐震診断や耐震補強については行政機関の支援があります。耐震診断を受けて必要な補強をしていきます |
室内 | 家具を固定する場合は壁の内側の桟木やかもいに固定する。積み重ねの家具は上下を連結する。 家具製品は台の固定だけではなく台と床さらに壁との固定も忘れずに。 タンスや棚は収納物が飛び出さないように扉が開かないようにロックができるようにする。固定方法は複数組み合わせる。 ガラス類は飛び散らないように飛散防止のフィルムを貼る。照明器具には飛散防止カバーを使用する。 寝ている上に倒れてこないように配置する。寝ている上に飛んでこないように配置や固定をする。窓ガラスの近くに物を置かない。倒れてもドアを塞がないように配置する。避難する経路に物を置かない |
自宅では
自宅内では特に家具や照明器具などの重いものに注意をする必要があります。
自宅内では転倒・飛来・落下物のない安全な空間で身体の安全を図る。
家具などの揺れる危険のあるものから離れる
テーブルや机の下に入る場合も強度の高いものの下に
高層階にいる場合は窓から離れて固定されたものにつかまる
耐震性の弱い建物の中にいる場合は外に出る
ビルの中に耐震性の高い建物の中にいる場合は外に出ない。落下物に注意する
いる場所 | 注意点 |
台所 | 調理中の場合はガスの光を無理に消そうとしない。揺れが収まってから消す。 食器棚・冷蔵庫などの大型家具類に足を挟まれないこと ガラスの破片でけがをしないこと 落下した調味料類で足を滑らせないように 上部の棚から落下物に注意 |
リビング | クッションなどで頭を保護する ピアノなどの重量物から離れる 照明器具・エアコン・テレビなどの飛び出しや落下から身を守る |
寝室 | 就寝中の場合はまず布団で体を守る 慌てて行動せずに落ち着いて行動する 家具から離れる |
トイレ・風呂 | 閉じ込められないようにすぐにドアを開く 風呂の中では慌てて行動して足を滑らせない トイレの中ではタンクやふたに注意する |
外出先では
外出先では予測不可能なことがあります。上から物が落ちてくることもあります。
屋外にいるときは上部から落ちてくるガラス・建物の破損物などから頭部を守ることを心がけましょう
カバンから頭を保護する
路上にいる場合は耐震性の髙そうなビルの中に避難する
自販機やブロック塀から離れる
ビルの看板の落下に気をつける
マンホールの上を歩かない
道路の亀裂や建物や電柱の倒壊に注意する
ハンドルを取られることもあるので自動車に注意
車の運転中には路肩に寄せて速やかに停車する
施設内の中にいたら
地下商店・デパート・ショッピングセンター・スーパー・映画館などの施設内にいたら陳列商品や装飾品の転倒や落下・天井の電気類や天井板などの落下に注意をしてバッグなどで頭部を保護して安全な空間に移動をすること。
施設の係員による案内にしたがって行動をする
狭い避難路に人が集中をすることで群衆雪崩が起きる可能性がある。押し合うことなく落ちついた行動をする
周りを見渡して比較的すいている避難路である出口を探す
建物破損による空気の汚濁から身を守るためハンカチなどで口を覆う
可能であれば火災に備えてはんかちをぬらす
まとめ
大地震になってしまうと避難が困難になったり家が壊れてしまって避難生活になったりすることがあります。その他ライフラインが寸断されたり道路が使えなくなって地域が孤立するなどの問題が出てきそうです。地震によって多くのトラブルになることが予想されます。また低地では津波などのリスクが出てきます。さらに都市部では火災などで多くの人命が失われることも予想されます。
また工場や飲食店は建物の損壊や部品や仕入れの困難などもあって長期の休業を余儀なくされることがあります。営業できないことで多くの逸失利益が発生することもあります。
耐震構造の建物を作る・低地に作らずに高台に作る・建物と建物の間をある程度空けるなどの対策も必要そうです。
また企業の場合は建物の損害や営業をできなくなってしまった時の補償として地震保険を考えてもいいような気がします。万一の大きな損害に対して備えをしておくことも大事です。
ただ企業地震保険は簡単に加入をすることができません。現在も企業地震保険は全体の9%ほどしか加入していません。現在は大企業と優良中堅企業くらいしか加入をすることができません。中小企業のほとんどは加入できません。
そのような中小企業にも地震保険に代わるものがありますので一度相談ください。
参考資料
地震保険の理論と実務:栗山泰史・五十嵐朗著